釣果情報

第35回遊漁船雑学講座

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皆さんこんにちは!
松丸、更新担当の中西です。

 

 

信頼づくり

 

 


 

かつて遊漁船の集客は、常連の紹介や地元のつながりが中心でした。しかし今は、検索・SNS・口コミが“入口”になる時代です。お客様は「どんな船長か」「初心者でも大丈夫か」「安全そうか」「料金は明瞭か」を、予約前にスマホで判断します。つまり、海の上のサービスだけでなく、陸上の情報発信が事業の命綱になりました。今回は、遊漁船が直面する“デジタル集客”と“信頼設計”の課題を整理します。

 

 

■1. 予約導線が複雑だと、それだけで失注する

現代のお客様は忙しいです。予約が面倒な船は、それだけで選ばれません。

・電話のみ受付(出られないと機会損失)
・料金が分かりにくい(追加費用が不安)
・集合場所が曖昧(迷うのが怖い)
・キャンセル規定が不明(トラブルの種)

この状態は、サービスが良くても“伝わらない”という課題を生みます。

▶改善の方向性

・Web予約(カレンダーで空き確認)
・料金表をシンプルに(乗合、仕立、レンタル、氷等)
・集合場所は地図・写真・動画で案内
・欠航基準・キャンセル規定を明記

“安心して予約できる情報”が、今の集客の土台です。

 

 

■2. 口コミは武器にも凶器にもなる

口コミは集客に強い影響を与えます。良い口コミは資産ですが、悪い口コミは放置すると致命傷になることもあります。

ただし、ここで大事なのは「口コミを恐れる」のではなく、「口コミの原因を設計で減らす」ことです。

(1) トラブルが起きやすいポイントを先回りする

・釣れないと不満(自然相手の期待調整)
・初心者が置いていかれる(サポート不足)
・船酔い(事前案内不足)
・追加費用(説明不足)
・マナー客が混ざる(ルールの周知不足)

▶対策例

・「釣果は保証できない」前提の説明を丁寧に
・初心者プラン、レクチャー時間の確保
・酔い止め、服装、持ち物を事前に案内
・料金は“当日追加なし”を目指す(難しければ事前告知)
・乗船ルールを予約時に送付し、当日も再確認

これだけでも、口コミの地雷は大きく減ります。

(2) 口コミ返信は“未来のお客様への接客”

口コミ返信は、書いた人への反論ではありません。これから見る人へのメッセージです。

・感謝+改善点の共有
・事実確認が必要な場合は丁寧に
・感情的に反応しない

誠実な返信があるだけで「この船は真面目そう」と安心材料になります。

 

 

■3. SNS発信の課題:釣果だけでは選ばれない

釣果写真は大事ですが、今は“体験”が価値になります。

・初心者でも楽しめる雰囲気
・安全への配慮
・船内の清潔感
・スタッフの人柄
・レンタル充実

こうした情報があるほど、初めての人が予約しやすくなります。

▶おすすめの発信ネタ例

・当日の流れ(集合→出航→釣り→帰港)
・服装・持ち物チェック
・船酔い対策
・子どもや女性の参加事例
・安全装備の紹介(ライフジャケット、手すり等)
・釣った魚の持ち帰り・下処理案内

“釣果”に偏らず、“安心の体験設計”を発信することが現代の課題です。

 

 

■4. 価格競争から抜けるための「価値の言語化」

検索で比較されると、どうしても価格が目に入ります。そこで重要なのが「価格以外の価値」を言語化することです。

例)

・初心者サポートが手厚い
・安全説明が丁寧
・レンタルが充実で手ぶらOK
・ポイント選定が的確でチャンスが多い
・写真撮影サービスがある
・女性やファミリー向けの配慮がある

これらをWebやSNSに明確に書くことで、「安いから」ではなく「ここが良さそうだから」で選ばれるようになります。

 

 

■5. デジタル化が苦手でも進められる“小さなDX”

いきなり難しいシステムは不要です。小さく始めるのがコツです。

・予約はフォーム+自動返信メール
・よくある質問(FAQ)を固定投稿
・集合場所をGoogleマップで共有
・キャンセル規定をテンプレで送付
・釣果速報を短文で更新

この“積み重ね”が、電話対応の負担を減らし、予約の取りこぼしを減らします。結果として、人的負担も軽減されます。

 

 

■6. まとめ:海の上のサービスを、陸の上で伝える時代

遊漁船の現代課題は「釣らせる」だけではありません。

・予約しやすい導線
・トラブルを減らす事前案内
・口コミを資産化する返信と改善
・体験価値の発信
・小さなDXの積み重ね

これらを整えることで、初めてのお客様が増え、リピーターも増え、価格競争からも抜けやすくなります。次回は、環境変化と持続可能な経営の課題を扱います。

 

 

■6. Google検索で選ばれるための基本整備

SNSだけでなく、検索対策も重要です。特に初めての人は検索から入ります。

・地域名+遊漁船+釣りもの(例:〇〇港 タイ 乗合)
・料金、集合場所、駐車場
・初心者OK、女性歓迎、手ぶらOK

こうしたキーワードに答えるページがあるほど、問い合わせは増えます。

▶最低限整えたいページ構成

・トップ:強みと安心材料(安全、初心者、釣りもの)
・料金:明朗会計、追加費用の有無
・船と設備:トイレ、屋根、手すり、レンタル
・アクセス:地図、写真、集合時間、駐車場
・よくある質問:欠航、キャンセル、持ち物、支払い
・予約:空き状況、フォーム、連絡手段

“当たり前”を丁寧に書くことが、現代の集客で差になります。

 

 

■7. リピーターづくりは「釣果」だけでなく「関係性」

初回で満足しても、忘れられたら戻ってきません。

・帰港後にお礼メッセージ
・次回おすすめの釣りもの案内
・シーズン開始のお知らせ
・常連向けの先行予約案内

LINEやメールで、押し売りではなく“情報提供”として関係性を作ると、繁忙期の予約が安定します。

 

 

■8. インバウンド・多言語の課題と対応

観光需要が戻ると、外国人の問い合わせも増えます。完璧な英語は不要ですが、最低限の案内があるだけで安心されます。

・集合場所、時間、料金
・安全ルール(ライフジャケット、移動時の注意)
・持ち物、服装
・キャンセル規定

簡単な英語テンプレート+画像で十分に伝わります。小さな工夫が大きな差になります。

 

 

■9. 発信が続かない課題:ネタ切れを防ぐ「型」を持つ

SNSやブログは「続かない」のが最大の敵です。続けるには“型”が必要です。

・月曜:今週の狙い(釣りもの、潮回り)
・水曜:初心者向けTips(仕掛け、服装)
・金曜:週末の空き状況と集合案内
・出航日:釣果速報+お客様の一言コメント
・欠航日:安全判断の理由+次回提案

このように曜日や状況で型を決めると、迷いが減ります。

 

 

■10. 写真・動画の課題:撮り方で信頼感が変わる

釣果写真だけでなく、

・船内の清潔感(床、トイレ、手すり)
・ライフジャケットの用意
・スタッフの笑顔
・初心者が楽しんでいる様子

が写っていると安心されます。さらに、顔出しNGのお客様には配慮し、後ろ姿や手元、魚だけのカットにするなど、ルールを決めておくとトラブルも減ります。

 

 

■11. 良い口コミを増やす「お願い」の仕方

満足したお客様は、お願いされると意外と書いてくれます。

・帰港後に「もし良ければ感想をお願いします」と一言
・QRコードで簡単に投稿できるようにする
・釣果写真を送るついでにレビュー導線を作る

強制や見返りは避け、あくまで任意で。誠実さが信頼を作ります。

遊漁船における現代の課題④:燃料高騰・気候変動時代の持続可能な経営

遊漁船は自然を相手にする仕事です。ところが近年、その“自然”の変化がより大きく、より速くなっています。さらに燃料高騰、物価高、人材不足、規制強化など、外部環境の圧力も強まっています。つまり現代の課題は「現場努力」だけでは吸収しきれず、経営としての“続ける力”が問われる局面に入っています。今回は、持続可能性の観点から遊漁船の課題と打ち手をまとめます。

 

■1. 燃料高騰が直面する構造

遊漁船は移動距離が増えるほど燃料費が増えます。燃料は原価の中でもインパクトが大きく、価格変動が利益を直撃します。

・遠征便ほど利益が薄くなる
・釣れないと“走り回る”誘惑が増える
・値上げすると客離れが怖い

このジレンマを抱えたままだと、疲弊するだけです。

▶対策の方向性

・燃料費を前提にした料金設計(遠征は別料金など)
・便ごとの採算管理(燃料、人数などの可視化)